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我が子をトリリンガルとして育てるには?早期の英語習得が近道!

公開日:2022/05/01
更新日:2022/05/01

2つの言語を話すことができる「バイリンガル」は有名人にも多く、知っている人も少なくありません。しかし、トリリンガルについてはよくわからない人も多いのではないでしょうか。習得難易度がバイリンガルより高いトリリンガルですが、メリットも多いです。この記事では、子どもをトリリンガルに育てる方法やどのようなメリットがあるのかについて紹介します。

1.トリリンガルとは?

こちらでは、「トリリンガルとはどういうものなのか」「バイリンガルとの違い」を解説します。

1-1.3ヶ国語を使えるのがトリリンガル

バイリンガルの「バイ(bi)」はラテン語で「2」、トリリンガルの「トリ(tri)」は「3」、リンガル(lingual)は「言葉」を意味します。つまり、トリリンガルとは3ヶ国語を話す人を指し、「トライリンガル」と呼ぶことも可能です。ちなみに、1つの言語のみを話す人は「モノリンガル」といいます。さまざまな言語を学ぶことができるサイト「ilanguages.org」によると、世界中でモノリンガルの人は約40%、バイリンガルは約43%いることがわかっています。しかし、トリリンガルは世界でもわずか約13%です。バイリンガルの人口と比較をすると、4分の1程度しかいません。

母国語に加え、英語を公用語にしている国ではトリリンガルが多いです。たとえば、香港、ノルウェー、フィリピンなどが挙げられるでしょう。言語体系が似ているヨーロッパや移民が多くいる国にも多くのトリリンガルがいます。日本人はモノリンガルの人が多く、バイリンガルは少ないです。トリリンガルともなれば、さらに少なくなってしまいます。そのため、日常会話が話せるレベルであればトリリンガルは希少な存在として、今後ますます国際化していく社会では重宝されるでしょう。

1-2.トリリンガルはバイリンガル以上に世界が広がる

3つの言語を操るトリリンガルは扱う言語や習熟度にもよりますが、バイリンガルよりさらにカバーできる言語の幅が広範囲になります。英語話者は世界で約11億3000万人おり、そのなかで母国語として話している人は約4億人です。次に多いのがマンダリンチャイニーズ(標準的な中国語)で、約11億2000万人となっています。つまり、日本語、英語、中国語を話すことができるトリリンガルになれば、単純に計算しても世界中で約20億人以上とコミュニケーションをとることができるようになるのです。フランス語やスペイン語についてもさまざまな国で公用語になっているため、これらの言語を第三言語にすれば、さらに世界各国の人とコミュニケーション可能となり、多くの情報を得ることができます。トリリンガルは、バイリンガル以上に活躍できる場が広がりやすいです。

2.トリリンガルになることのメリット

3つの言語を話すことができるトリリンガルには、さまざまなメリットがあります。どのようなメリットがあるのか、具体的に挙げてみましょう。

2-1.マルチリンガルになる土台ができる

習得した言語の数が多いほど、語彙や文法などが似ている新しい言語も理解しやすい傾向があります。そのため、トリリンガルがさらに言語を習得し、クァドリンガル(4ヶ国語話者)やペンタリンガル(5ヶ国語話者)などマルチリンガルになる可能性が高いです。実際、トリリンガルがバイリンガルより新たな言語を習得する際に優位性があることが東大が行った実験によってわかっています。 トリリンガルの新言語習得に関する優位性についての実験は、東大が中心となった研究グループによって日本人49人を対象に行われました。実験の参加者は21人がバイリンガル、28人がトリリンガルです。トリリンガル28人は日本語と英語、スペイン語を話すことができますが、さらに短時間でカザフ語を聞き取ることができるようになりました。また、新しい言語に対する順応性も高く、バイリンガルより問題の回答にかかる時間が早いという結果も出ています。この実験によって、トリリンガルはバイリンガルより脳の言語野や視覚野の働きが活発であることもわかりました。トリリンガルは、新しい言語を習得するためにイメージを使って学んでいるのです。

2-2.旅行や仕事の選択肢が増える

世界のさまざまな地域で英語が通じるため、英語を話すことができるバイリンガルで十分だと考える人は多いです。実際、海外のビジネスシーンでは英語が基本言語となっており、情報発信についても英語で記載されている場合が少なくありません。ただ、実際に会った相手が全員英語を流暢に話すことができるとは限りません。しかも、海外では現地語で話すほうが良い印象を持ってもらいやすく、相手からの信頼を得やすいです。日本でも英語で話しかけてくる外国人がいますが、日本語を話す外国人のほうがより安心し、親近感を持ちやすいのではないでしょうか。 英語が通じない地域がある国に行く場合、英語のみを話すことができるより第三言語を話せたほうが役立つシーンもあります。将来的にますます国際化が進み、国境を越えて往来する機会が増えたときにトリリンガルであれば、選択肢はさらに増えることが期待できるでしょう。国際人としての視野を広げるためにも、より多くの言語を身に着けることが大切です。

2-3.世界中に友人を持つことができる

インターネットの普及によって世界をまたいで、さまざまな国の人と簡単に触れ合うことができるようになりました。しかし、出会いがあっても、言葉の壁が原因でコミュニケーションをとるのが難しい場合もあります。海外のローカルトピックやコミュニティでは、SNSなども現地語が使用されているケースが多いです。「英語を話すことができるだけではすべての情報にアクセスするのが難しい」というのが現状といえます。 第三言語を身に着けていれば、英語ではコミュニケーションがとりにくい場面でも積極的に入っていくことができるのです。また、SNSなどインターネットだけではなく、実際に現地を訪れるハードルも低くなるでしょう。コミュニケーションを積み重ねて築き上げた世界各国に広がる人脈は、将来かけがえのない財産になります。

3.日本に住む日本人の子どももトリリンガルになれる?

日本に住んでいるトリリンガルの子どもの多くは父親か母親が外国人、あるいは長期間海外に在住していた経験があります。では、両親がどちらも日本人で、海外に住まない場合でもトリリンガルになることはできるのでしょうか。日本に住む日本人の子どもがトリリンガルになる可能性について見てみましょう。

3-1.まずは日本語と英語のバイリンガルになること

3ヶ国語を話すことができるようになる前に、まずは2ヶ国語を使いこなせるようになるのが大切です。そのため、トリリンガルを目指すのであれば、できるだけ若い年齢からバイリンガルになることが有効といえます。大学や社会人になってからでも、英語を身に着けることは可能です。ただ、若いときから学んだ人と比較すると労力と時間がかかってしまいます。人間は赤ちゃんの時点ですでに母国語とそうではない言語を選別する能力があるといわれており、幼い頃に第二言語を学びはじめれば短時間で身に着けることが期待できるのです。 英語の発音やリスニング能力に関しては、神経科学者のジャクリーン・ジョンソン氏とエリッサ・ニューポート氏の調査で、7歳までに身に着ければネイティブ並みに話すことができるようになるという結果も出ています。これは英語に近い発音の第三言語を身に着けるときにも有効で、英語の発音やリスニング能力が高い人はトリリンガルにもなりやすいのです。勉強や部活などで忙しくなる中学・高校からでは集中して学びにくくなります。また、社会人になってからでは仕事をしながら英語も学ばなければならないため、強い意思と努力が必要です。そのため、幼児期からバイリンガルの教育を行うほうが良いといえます。

3-2.ベースとなる母国語教育もしっかりと

幼児期からバイリンガル教育を行い、若くしてトリリンガルになることができるようにと焦るあまり、母国語である日本語の教育を疎かにしてしまうケースがあります。日本に住んでいる人であれば、日本語は最も話し、触れる機会が多い言語です。また、母国語であるだけに多国語を話すことができるようになっても、思考の際には日本語が中心となります。つまり、日本語の語彙力や読解力は、ほかの言語の理解力の基礎になるのです。そのため、トリリンガルを目指す場合でも、平均的な日本語力を身に着ける必要があります。 もし、平均的な日本語力を身に着けることができなかった場合、バイリンガルやトリリンガルになれたとしても日常会話レベルにとどまってしまう可能性が高いです。子どもが将来大学院、専門学校など学業をより極めたい場合や社会人になって仕事で英語を使うようになった際、そのことがマイナスに働きかねないので注意しましょう。ただ、難しく考える必要もありません。たとえば、日本語の本を読んだり、日本の映画やアニメを見たりすることでも日本語力を上げることは可能です。幼稚園や保育園などで友達と遊ぶようになれば、さらに日本語力がアップします。日本の学校で学ぶ授業でも日本語力が蓄積されるため、遊びや勉強のなかで日本人と触れ合うことが大切です。

4.トリリンガルになるには第三言語の選択も重要

バイリンガルを目指す際に、第二言語に選ぶものは英語が多いです。では、トリリンガルになる場合、第三言語に選ぶものは何が良いのでしょうか。実用性、習得難易度などからおすすめの言語を3つ紹介します。

4-1.母語人口が世界最多の中国語

中国は世界で最も人口が多い国です。そのため、中国語を母国語とする人も世界で最も多くなっています。また、海外進出をする中国人が多く、中国以外の国であっても中国語が必要となる可能性があります。さらに、日本を訪れる中国人も多く、2019年、コロナ禍以前の訪日中国人は約960万人でした。将来的にも観光、ビジネスにおいて中国人と接する機会が増えていくと考えられており、第三言語として中国語を学ぶことは有効です。

日本語でも漢字は使われているため、中国語の漢字を読み・書きすることは比較的容易いですが、話すことに関しては苦手な人が少なくありません。特に、中国語の発音が苦手な人は多く、その点に関してはほかの外国人の得意分野となっています。ちなみに、中国で使用されている常用漢字は約2500字ありますが、そのうち日本でも使われている漢字は1683字です。熟語も日本から中国に伝わったものは多く、見ただけで意味がわかる場合があり、ハードルは低めです。しかも、中国語は英語と同じSVO型の文法になっているため、英語が得意な人にとってはより理解しやすいでしょう。SVO型とは「S(主語)+V(動詞)+O(目的語)」の文法を指します。例を挙げると、「I throw a ball.(私はボールを投げる)」はSVO型の文法です。

英語ほど多くはありませんが、中国語の参考書も比較的豊富に販売されているため、気軽に学習できる環境も整っています。英語もそうですが、中国語も文章で学び、それを活かして実際にコミュニケーションをとってみることが大切です。会話をするなかで発音などを改善したり、新しい言葉を覚えたりするケースもあります。

4-2.母国語話者が多いスペイン語

バイリンガルとして、英語を身に着けている場合は、英語に近いといわれているヨーロッパの言語を学ぶのも良いでしょう。フランス語はヨーロッパ以外でも使用する国が多いので、第三言語として学ぶのにはぴったりです。しかし、フランス語より母国語話者の数が多いスペイン語は、さらにおすすめの言語といえます。スペイン語を母国語として話す人は世界で約4億2000万人であり、世界で3番目に多い言語です。中南米においては、ブラジル以外の多くの国でスペイン語が話されています。

スペイン語は母音の発音が日本語と同じ「アエイオウ」になっており、日本語を母国語にしている人にとっては習得しやすい言語です。また、単語についても、英単語よりローマ字読みが通用しやすいというメリットがあります。スペイン語の単語は読みを覚えたり、発音したりする際のハードルが低いのです。中南米は旅行先としても人気があるため、スペイン語を習得して現地で会話力を磨くのも良いでしょう。

トリリンガルへの近道は少しでも早くバイリンガルになること

将来的にトリリンガルを目指すならば、早い段階でバイリンガルになるのが有効です。たとえば、幼児期から子どもにバイリンガル教育をすることがトリリンガルの近道になります。「Kids Duo International(KDI)」ではバイリンガル教育に加え、思考力や読解力、表現力がより身に着くための知能教育を受けることも可能です。子どもをバイリンガルやトリリンガルに育てるならば、まず、KDIの入園説明会に参加することを検討してみるのも良いでしょう。

早期英語教育には、英語力を身につける以外にもさまざまなメリットが存在します。異文化理解を深め、自信をもって英語でコミュニケーションをとれるようになるために、幼少期から英語に触れさせていきたいものです。

学習法は、習い事や教材を利用するほか、英語のCD・DVDを流すなどさまざまな選択肢が存在します。ただ、一定以上の英語量に触れさせ、英語を話す環境下に身を置くとなると、「インターナショナル幼稚園」や「プリスクール」が最適かもしれません。

早期英語教育を中心とした独自のカリキュラムを採用しているのが、バイリンガル幼児園「Kids Duo International」。卒園までの4年間で約3,000時間を英語で過ごすため、英語教育に関心の高い保護者の方から注目を集めています。
40年間にわたって培われた教育カリキュラムでは、語学以外の面にも注力。バイリンガル講師とのコミュニケーションや知能教育のほか、クラスメイトとの遊びを通して英語圏と日本の文化に触れられるなど、日本語と英語をバランスよく学ぶことも大切にしています。

執筆者:バイリンガル幼児園Kids Duo International コラム編集部

※説明会は園舎ではない場所で実施される場合があります。